建物ポイントデータを活用したエネルギー消費量の可視化

研究パートナー様

株式会社日建設計総合研究所様

日建設計を中核とする日建グループの“シンクタンク”です。
持続可能な建築・まちづくりの実現を目指し、建築と都市のライフスタイル全般にかけて調査・企画・コンサルティング業務を提供しています。

ゼンリンは、確かな調査で蓄積されたさまざまなデータを、パートナー企業の皆様のシステムやノウハウと組み合わせ、新たな価値の創造をめざして研究を進めてまいります。

お問い合わせ・ご相談はページ下のお問い合わせよりお願いいたします。

建物ポイントデータを活用したエネルギー消費量の可視化

研究背景 -各自治体・企業が抱える課題-

現在、各自治体・企業は、“低炭素化都市”、“スマートシティ”等、「持続可能都市」への転換を積極的に推進しています。
この効果を分かり易く伝えるために、都市のエネルギー消費量の可視化を実現する「環境エネルギーMAP」の作成は有効です。
しかしながら、この「環境エネルギーMAP」の作成には、調査・整備にかかる莫大なコストや情報の入手、データの不整合など、いくつかの課題がありました。
これらの課題を受けて、ゼンリンは「建物ポイントデータ(※)」を活用した「環境エネルギーMAP」の作成にパートナー企業と取り組みました。

建物ポイントデータ
住宅や商業ビル・オフィスビルなど全国約3,700万棟の建物情報を収録したポイントデータ

研究結果

今回の研究では、ゼンリンの「建物ポイントデータ」に収録されている建物属性情報を建物用途として代用し、建物形状×建物の階数から求めた推定延床面積と合わせて活用。
研究パートナーとなる株式会社日建設計総合研究所の都市・環境分野におけるノウハウと組み合わせて、都市エネルギー消費量の可視化を実現する「環境エネルギーMAP」の作成を可能にしました。

年間エネルギー消費量推計値(東京)

年間エネルギー消費量推計値(東京)

時刻別エネルギー消費量推計値(東京)

データを地図上に展開した結果、都心および鉄道沿線のエネルギー消費量の高いエリアが明確に表現され、都市活動の実態を反映した「環境エネルギーMAP」が完成しました。「建物ポイントデータ」を活用することで、エネルギー消費量の可視化を実現できるとともに、都市経営に資する都市基盤情報の提供が可能と判断いたしました。

研究過程

STEP1 エネルギー消費量の算出

建物の用途によってエネルギー消費特性が異なるため、建物の用途別に平均的なエネルギー消費量を設定し、面積を勘案して、都市のエネルギー消費量を算出します。

建物用途A

建物用途A
平均エネルギー消費量:XX
(面積:○㎡)

建物用途B

建物用途B
平均エネルギー消費量:YY
(面積:□㎡)

建物用途C

建物用途C
平均エネルギー消費量:ZZ
(面積:△㎡)

1.

建物用途分類への統一化
エネルギー消費特性による建物用途分類と、「建物ポイントデータ」の建物属性のグルーピングが異なるため、まずは建物用途分類との整合性確保を行い、建物ポイントデータを再分類しました。

2.

エネルギー消費量の算出
再分類した建物ポイントデータの建物属性と延床面積データに、単位延床面積当たりの平均エネルギー消費量を掛け合わせ、エネルギー消費量を算出しました。

エネルギー消費量の算出

STEP2 建物単位のデータをメッシュ単位に統計化

建物単位のデータをメッシュ単位に統計化

STEP3 統計化したデータを地図上に展開

「環境エネルギーMAP」の完成

今後の展望

ゼンリンは、よりよいまちづくりに向けて、これからも、さまざまなデータとパートナーノウハウを有効活用し、情報の地図化に向けた研究を推進していきます。
研究パートナーをご希望の企業様は、お気軽にご相談ください。

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