ゼンリンメールマガジン for Hobby Vol.8 2014年10月28日配信
歩行者やドライバーの視点に立ち、直感的でわかりやすいリアルな街並みを再現した3次元（3D）の地図データ。カーナビなどでおなじみですが、ゼンリンでは、この3D都市モデルデータを“ゲームの中”でも活用してもらう取り組みを始めました。現実の街並みを再現したデータが、次世代のゲームの世界を彩ります。
今年9月、パシフィコ横浜で行われたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2014」に、ゼンリンのブースが登場しました。メイン展示は、ゲーム開発者向けの「3D都市モデルデータ」。ゼンリンがカーナビソフト向けに整備してきた3D地図データを活用したものです。
かつてゲームは、平面で構成された2Dの世界でした。それが技術の発展によって、現在ではいっそうリアルな3Dの世界を舞台にしたものが多く登場。たとえば車のレースのゲームも、かつては真上から道路を眺めた視点のものが主流でしたが、それがドライバーの目線から捉えた3Dになり、いっそう臨場感が増しました。最先端のゲームだと、実際の映像なのか3Dなのか、一瞬見ただけではわからないほどリアルなつくりになっています。
しかし、リアルになればなるほど開発の手間とコストがかかるのも事実。一からゲームの舞台となる街を3Dでつくりあげるだけで、莫大なコストがかかってきます。
そんな風潮の中、世界中のゲームクリエイターにとって朗報だったのが、ゲーム開発ソフトウェア「Unity」の登場です。スマートフォンや家庭用ゲーム機など、様々なプラットフォームに対応したゲームを作ることができるソフトですが、なにより便利なのは、ゲームのデータを有償・無償で提供する「アセットストア」を活用できること。ゲームに登場する人物のデータや背景データ、ゲームのBGMなど、ゲームづくりに欠かせないデータを活用することができ、開発コストを抑えることが可能になりました。
現在「アセットストア」で無料配信しているのは、ゼンリンの3D都市モデルデータ「Japanese Otaku City」。海外のゲームクリエイターにもよく知られている東京・秋葉原の街の3Dデータです。自動車およびキャラクターの3Dモデルデータも収録しています。
現実世界のビルや道路が再現されていると同時に、ニーズに合わせて「夜空」「曇り空」や「風」「雨」といった天候表現にも対応。動画をご覧いただくと一目瞭然です。
「秋葉原の街だけでなく、日本国内では東京23区および政令指定都市（20都市）、海外では欧州・北米の主要都市の中心部など、ゼンリンがカーナビ向けに3D地図データを整備している地区なら、必要な範囲のデータを切りだして提供できる体制が整っています。
今年8月にリリースして以来、ゼンリンの3D都市データは新聞をはじめとした様々なメディアで紹介され、ツイッターなどのSNSでも、ゲーム開発者やゲームファンを中心にクチコミで情報が広まりつつあります。
9月半ばには、日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2014」に出展。秋葉原の街を舞台にしたアクションゲームと、渋谷を舞台にしたゲームを展示し、「地図のゼンリンが、ゲームショウで何を出しているの？」とゲームファンの興味を引き、話題となりました。見慣れた街を舞台にしたゲームは、ユーザーにとっても開発者にとっても魅力的。車のレースゲームや空中戦、アクションゲームなど、イメージは膨らみます。
9月下旬には福岡で開催されたハッカソン「大八耐」に協賛。｢ハッカソン｣とは、開発者の方たちが一定期間集中的に共同作業をし、その技術やアイデアを競うイベントのことです。そこでは、福岡天神エリアの3Dデータを限定無償公開しました。
現実の街の3Dモデルを、ゲーム開発者向けに提供している例は、ゼンリンが日本初。世界的にみてもほとんど例がありません。また、今後はゲームに限らず、シミュレーションや建築分野など、他の分野でも活用できるようになるかもしれません。
これまで培った技術とデータを、積極的に新しいことに活かすよう、これからもゼンリンは挑戦し続けていきます。ご期待ください。
▼▽3D都市モデルデータ「Japanese Otaku City」▼▽
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