大和不動産鑑定株式会社様
詳細な地図データと既存システムとの連携が
業務の効率化と成果品の品質向上を実現

左から
企画調整部 部長 金井浩之氏
システム評価部 取締役部長 野上哲氏
総務部 野村千夏氏
証券化評価部 米原絵美氏
システム評価部 依田実和子氏
【導入先プロフィール】
昭和41年創業。一般の商品と異なり、土地等の適正な価格評価にきわめて高度な専門性と情報力が問われる「不動産鑑定」。その不動産鑑定評価に精通し、独立した鑑定評価機関として中立・公平な立場でさまざまな不動産評価情報サービスを提供する「不動産の総合コンサルタント」である。不動産鑑定評価、固定資産システム評価、建築エンジニアリングサービス、補償コンサルタント、再開発コンサルタントなど、土地や建物とその権利に関わるさまざまなコンサルティングを行っている。
多様化・高度化する不動産鑑定業務にますます必要となる最新の地図情報。
不動産鑑定業界で民間最大手の大和不動産鑑定株式会社様では、平成21年にOA-LightIVを導入。紙からデジタルへ移行した住宅地図情報を、OA-LightIVでどのように活用されているのだろうか。導入の背景と効果をお聞きした。
ゼンリンの商品を導入した背景
日々変貌する不動産情報
情報の"鮮度"と効率化が必須の要件だった
大和不動産鑑定株式会社様(以下、大和不動産鑑定)は、不動産鑑定業界の民間最大手として、創業以来45年にわたって多様な鑑定評価サービスを提供してきた。不動産鑑定のほか、固定資産システム評価、建築エンジニアリングなど、不動産の総合的なコンサルティング業務を行っている。
不動産鑑定では、所在地という文字情報と地図による位置情報のリンクによってはじめて鑑定地点が確定される。そのため同社では、以前よりシステム評価部を中心にGISシステムの積極的な導入を進めてきた。
市町村を主な顧客とし、固定資産評価支援業務を行うシステム評価部では、通常、各自治体が独自に作成した地形図をGISのベース地図として活用していた。しかし、概ね5年に一度更新される地形図では、現状に即した成果品の作成を行うことができない。また、最新の情報と地域の状況を的確に把握することのできる住宅地図をもとに作成して欲しい、という顧客ニーズも高まった。
そのため、自治体作成の地図に加え、ゼンリンの住宅地図帳を利用して鑑定地点の位置を手作業でプロットした図面作成を行うことになった。その結果、「現地調査を容易に行うことができる」と顧客や鑑定評価員から好評を得ることができた。
しかし、鑑定地点の位置図を管理するCADソフトと住宅地図との連携がなかったため、手作業のプロットには1件あたり20〜30分と大変手間がかかっていた。
こうした課題を抱えたなか、大型案件の受注が発生したことも後押しとなり、デジタル住宅地図をベースとした位置図作成のシステム化に至った。
ゼンリン商品の決定理由
鮮度、更新頻度、そして汎用性が決め手に
平成21年、OA-LightIVを導入し、最新の住宅地図(Zmap-TOWNII)を常時確認できるようにした。導入の決め手となったのは、まず、東京都23区内や都市部なら確実に年1回更新される地図の鮮度だった。
「固定資産システム評価においては、街路の状況、駅からの距離、店舗の連たん状況、公共公益施設や嫌悪施設の状況など、都市全域の土地価格に影響する多数の要因をすべて把握する必要があります。しかし、都市部では市街地再開発や鉄道の新設など、街を一変するような開発が多々あり、日々変化するこれらの価格形成要因を常に監視していくためには地図での確認や現地調査が欠かせません。年に1回は確実に更新される地図を利用することで、現地確認の精度や時間的な無駄を大幅に改善できる。そこは大きいですね。」(野上氏)
以前から使用していたCADシステムとの連動も導入理由のひとつ。
「位置図の入力作業は汎用CADソフトを使っているのですが、全体図面作成と個々の位置図作成を別々に作業しており、効率的ではありませんでした。CADで入力したデータをGISシステムと連動させることができれば、2つの作業を一連の流れで行うことができる。そのことについてゼンリンに相談したところ、真摯に相談にのっていただきました。」(野上氏)
大和不動産鑑定では、鑑定地点等の位置情報データをshapeフォーマットで作成し、そのデータをOA-LightIVに読み込ませて描画させている。OA-LightIVの台帳機能を用いて、位置データと属性情報を管理したり、編集した図形データをshapeフォーマットに変換して出力できる機能はカスタマイズした。

企画調整部 部長
金井浩之氏
「カスタマイズの作り込みもできたし、汎用性の高いシステムにしていただき満足しています。」
カスタマイズに当たって、線や矢印のスタイル、面のハッチング、多角形などの図形、属性データなど、業務上必要な情報を表現するために多彩な編集機能を実装し、他の業務でも利用可能で、かつより効率的に使いやすくするための工夫をした。
また、一般の鑑定評価においても正確で詳細な情報が記載されたゼンリンの住宅地図を高く評価した。
「不動産情報の場合は、属性情報が入っていることが重要です。たとえばこの建物名は、個人住宅なのか店舗なのか、ビルの名前なのか等。名称が入っていない家枠だけの地図ではわかりません。現地調査をもとに作成されたゼンリンの地図のみがそれを実現していると思います。」(金井氏)
台帳の作成管理や住所マッチングができることもOA-LightIVを選んだ大きな理由だ。
「鑑定評価を行う際は、たとえば過去に評価した物件とこれから評価する物件が非常に近い距離にあった場合、この位置関係を確実に把握する必要があります。
OA-LightIVでは、物件台帳から地図を表示させたり、逆に地図から物件台帳を表示させるなど、継続的に評価物件の情報管理をすることができるため、非常に重宝しています。」(金井氏)
導入による効果
成果品の品質が向上しカスタマイズによってさらに効率的に
固定資産システム評価においては、このシステムの導入によって「鑑定地点位置図」作成の作業が大幅に効率化した。鑑定地点の図形座標データを住宅地図ベースへ変換し、編集を加えたうえで地図画像を作成。その画像データをもとに「鑑定地点位置図」を作成するという一連の流れがすべてシステム上で行えるのである。
「CADソフトとの連携は、十分な効果を発揮し、工期を大幅に短縮させることが可能になりました。専門家だけがもつ評価情報のノウハウを生かすには、そのニーズに対応できる機能をもつ地理情報システムでなければなりません。ゼンリンにいろいろな機能を高めて提供していただくことで、作業の効率化がより高まっています。」(野上氏)
さらに、カスタマイズで汎用性を持たせたことによって、他の作業での活用にもつながった。
「土地の価格形成要因に係る施設の範囲や位置はデジタル地形図上で管理していますが、地形図の更新が5年に1回程度で、変化の激しい地域においては十分な活用ができていませんでした。今は、住宅地図を元に価格形成要因などの変化を把握し、現地調査で確定した後、デジタル地形図を編集して管理しています。こうすることで、最新の価格形成要因を容易に把握できるようになりました。」(野上氏)

システム評価部
取締役部長
野上哲氏
「このシステムを、いつでもだれでも必要な時に使えるようにしたいです。」


証券化評価部
米原絵美氏
「成果品に添える地図は紙ベースとPDFで提供するのですが、作業時間も短縮でき、目に見えてきれいになりました。」
システム評価部以外に、鑑定部・証券化評価部でもOA-LightIVは活用されている。
証券化評価部ではこのシステムの導入によって、鑑定書に添付する資料などの成果品が、効率よくきれいに作成できるようになった。
「今までは紙の住宅地図を利用して資料を作成していたのですが、コピーした地図を拡大・縮小し、貼り合わせて使っていたため、縮尺が変わることによりズレが生じたり、字がつぶれてしまったりと、成果品の質に統一感がありませんでした。
また、1つの成果品に対して4〜5枚付属資料を作成するので、大量案件の場合はスタッフ総出で行う作業でした。
OA-LightIVを導入してからは、対象物件を検索すればピンポイントでその場所が特定されるので、それをもとに地図の切り出しをしてプリントするだけです。」(米原さん)
作業時間の短縮だけでなく、画像も鮮明になり、対象物件の範囲が明確に示せるようになるなど成果品の質が向上した。
今後の課題
様々な機能を活用することでシステムのさらなる効率化を目指す
現在、地図をプリントする際は編集作業で特に評価対象となる区画を強調している。今後敷地境界がデータ化できれば、更なる業務の効率化や成果品のクオリティアップが可能になる。
「不動産の単位は原則として画地(一体で利用されている土地)です。個々の建物単位で評価しているわけではありません。したがって評価に当たっては、画地の範囲や建物の範囲を明確に区別できることが求められる。できれば今後は敷地境界をデータ化してもらえるとありがたいですね。」(金井氏)
「現在の機能でも、店舗や住宅等を簡単に色変えできたら便利だとか、台帳と地図の連携を利用した機能において十分に使いこなせていない部分があります。その点はぜひアドバイスをいただき、より活用していきたいですね。」(野上氏)
《 社長インタビュー 》 業界をリードするコンプライアンスへの取り組み
地図をはじめとするあらゆる著作物に対する意識が高まってきたのはごく最近のことだが、大和不動産鑑定では、いち早くコンプライアンスマネジメントを導入。著作権保護に関しても業界をリードしている。
代表取締役社長の八杉氏に、その企業姿勢についてお伺いした。
「われわれは国家資格をもつ専門職業人。倫理性は当然なくてはならない。いろいろな著作物を扱うため、品質管理でISO9001(QMS)をとり、情報管理でISO27001(ISMS)を取得しました。著作物を創造する会社である以上、自分たちの権利を主張するなら他社の権利も当然守る必要がある。わが社では地図を使用する際は必ず、著作権者から著作物複製使用許諾を受けています。
よって、成果品には複製使用許諾番号が付いています。職業倫理として当たり前のことですからね。」

代表取締役社長
八杉氏
導入事例リーフレット
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