不動産業務に特化したパッケージソフト販売

鈴 雄太

仕事で人と繋がり、そして育つ。
常に前向きな姿勢が、他者をも突き動かす。

営業
鈴 雄太

豊富な情報量を誇るゼンリンの地図商品は、様々な業態・業種・規模の企業・官公庁で利用されているが、とりわけ需要が高いのは不動産業者だ。ゼンリンはその不動産業者を対象に、業務の効率化を支援する専用アプリケーション「ZENRIN GISパッケージ 不動産」を開発し、2013年4月から全国で営業活動を展開している。入社3年目の鈴は、現在、福岡エリアで同商品の販売推進リーダーとして奮闘している。

Part1 販売キャンペーンの概要と業界の背景

販売キャンペーンの概要と業界の背景

ゼンリンは2013年に「GISパッケージ 不動産」という不動産業務に特化した配信サービスをリリースしました。

これまで不動産業者は、業務に必要なあらゆる情報を、一つ一つ異なる媒体で確認していました。例えば、法務局で登記簿謄本を入手するために専用の地図で地番(※1)を調べたり、土地価格の相場を知るため国税庁ホームページで路線価を調べたり、都市計画などを見るために各自治体のホームページで用途地域(※2)を調べたり…といった感じです。「GISパッケージ 不動産」はそれらの情報をワンストップで閲覧できるため、大幅に作業が効率化されます。つまり、不動産業者にとっては画期的なサービスと言えるのです。

ゼンリンにとっては、新たなビジネスモデルへの挑戦でもありました。紙の地図なら現品をご購入いただいて取引は終わりですが、配信型のサービスは、契約が更新される限り決まった月額利用料をいただくことになります。品質の維持向上は常に求められますが、安定した収益が見込めます。いわゆる「売り切り型」から「課金型」のビジネスモデルへ世の中の流れがシフトしていく中で、「GISパッケージ 不動産」は、これからのゼンリンの主力商品となるべく期待がかかっていたのです。

そして2013年4月のリリースと同時に、全国の営業拠点で同商品の販売キャンペーンが実施されました。この販売キャンペーンでは、成約数に応じて、営業成績の優秀者が表彰されることになりました。当時、入社2年目で大宮営業所にいた私も、この販売キャンペーンに参加することになりました。

※1

地番・・・土地に一筆ごとに付ける番号。これに対し建物に付ける番号を住居番号という。

※2

用途地域・・・都市計画法に基づき、地域によって建築できる建物を制限したもの。

Part2 販売キャンペーンの過程〜がむしゃらに学ぶ〜

販売キャンペーンの過程〜がむしゃらに学ぶ〜

私がまず取り組んだのは、実際に不動産業務をされているお客様が、どのように地図を使っているのかを知るということでした。手始めに、これまでに取引のあった不動産業者を訪れて、実際にお仕事されている現場を見せてもらったり、苦労話を聞いたり、とにかくどんな細かいことでも「教えてください!」とお願いしました。

実際に「GISパッケージ 不動産」を購入してくださったお客様には、その利用法や使用感について細かくヒアリングしました。実務で利用している方でしかわからない便利さや魅力を教えていただき、それを次のお客様へのご提案の参考にすることもありました。お客様との会話は、営業にとって宝の山であることを、身をもって感じました。

大宮にいた頃には、当時、契約数が全国1位の先輩が同じ部署にいたので、その先輩の営業に同行させてもらいました。先輩の営業ぶりを観察するとともに、自分の営業スタイルに対する細かいご指導もいただけました。先輩の教えは、「説明者になるな」。一方的に商品の説明をぶつけても、お客様の心には響きません。対話の中からお客様の本音を探り、それに応える。そうすることで信頼関係が生まれます。福岡へ来てからも、この教えはずっと大切にしています。

2014年4月には、大宮から福岡に異動になりました。福岡営業部は比較的ベテランの営業マンが多い中、私が入社3年目の若い営業マンだったことがお客様には新鮮だったようで、行く先々で親身に話を聞いていただけました。ときには、契約してくださったお客様が別のお客様を紹介してくださったりすることも。そんな福岡のお客様の温かいご支援のおかげで、社内の同商品のキャンペーンで契約数上位者に送られる「ブロンズライセンス」を獲得することができたのです。

Part3 販売キャンペーンの勝因〜がむしゃらに挑む〜

販売キャンペーンの勝因〜がむしゃらに挑む〜

まだまだ新人営業マンである私がブロンズライセンスを獲得できたのには、何か特別なコツがあると思われるかもしれませんが、そんなものは全くありません(苦笑)。ただ、がむしゃらにお客様にぶつかっていった結果なんです。

はっきり言って、営業は断られることのほうが多いです。訪問の前には電話でアポを取るのが基本ですが、1日60〜80件電話をして、アポを取れるのがせいぜい10件程度。成約に繋がるのはそのうちの一握りです。ろくに話もできず電話を切られることはしょっちゅうですし、「二度と電話するな」と言われたこともあります。でも、そのたびに立ち止まってはいられません。自分は入社したてのド新人で、相手は零細企業とはいえ会社の社長さん。相手にされなくて当然、くらいの気持ちでいつも臨んでいます。

結果に一喜一憂せず、常に前を向く。学生時代、サッカー部で培ったこの姿勢を大事にしながら、とにかく人より多くの経験を積むことを心がけました。初めの頃は、自分のプレゼンの練習だと思って、話を聞いてもらえそうなところには片っ端からアタックしていきました。

そのうちに、成約に繋がりそうなところから優先的に攻めるなど、効率的な営業ができるようになりました。その成長は、営業成績として、数字になって返ってきました。

Part4 これからの自身の目標

ブロンズライセンスの獲得ということで、「GISパッケージ 不動産」の営業・販売では、ある程度の実績を残すことができました。表彰されることが目的ではありませんが、全国のベテラン営業マンたちと肩を並べてのキャンペーンで、かつ入社後初めての表彰でしたので、やはり嬉しいものでした。営業は、数字がモノをいう世界。プレッシャーもありますが、そのぶんゴールが明確で、目指し甲斐があります。今は「ブロンズライセンス」の次の、「シルバーライセンス」や「ゴールドライセンス」を目指しています。

また、福岡へ来てからは販売推進リーダーということで、全体の数字の管理や、強化週間中の仕切なども担当させていただいています。リーダーといっても、周りは自分よりずっと経験豊かな先輩ばかりなので、皆さんから勉強させていただくことの方が多いですが(笑)。

私が所属しているのは、日々のコツコツとした営業活動が基本の部署。営業先も大企業より地元の中小企業が中心なので、動く金額もそう大きなものではありません。だからこそ、地道な努力が大切なのだと、この販売キャンペーンに参加したことで改めて思い知りました。ひとつひとつの数字の積み重ねが、会社の利益と自分の成長に結びついていく。そうして培ったものが、また次の結果へと導いてくれます。経験を重ねていくことで、お客様はもちろん、社内の人間関係も広げていき、今後の営業の糧にしたいと考えています。

※掲載の情報は2015年2月現在のものです。