災害で真に役立つ「地図情報」が住民の安全を守る

神戸市 建設局防災部防災課 西 圭太 氏

防災や危機管理対策の一環で、多くの自治体がハザードマップを作成している。そのような状況のなか、従来の紙ベースだけではなく、随時最新情報へと更新でき、縮尺変更による詳細情報の把握も可能な「ハザードマップのWeb化」が注目されている。全国でも早い段階でこの取り組みに着手したのが神戸市(兵庫県)。防災担当の西氏に、導入経緯やWeb化の効果を聞いた。

住民の身近な存在となるハザードマップをめざす

住民への防災啓発活動の取り組みを教えてください。

防災情報の確認手段や災害に応じた避難行動などを掲載した『くらしの防災ガイド』を毎年6月に発行し、全世帯に配布しています。また、地域や企業などを訪問し、防災にかんする「出前授業」なども積極的に開催しています。『くらしの防災ガイド』には、災害避難時の重要な情報ツールとなるハザードマップも公表し、居住地周辺だけでなく、就業・就学先の危険箇所や避難所情報も事前に把握してもらうようにしています。そして、当市では平成27年6月から、ハザードマップをWeb化してホームページ上に掲載しています。

きっかけはなんでしたか。

スマートフォンの普及が進むなか、住民に、より気軽にハザードマップを利用してもらえるようになればと考えたからです。ハザードマップに触れていただく機会が増えることで、災害発生時、的確な避難行動をとりやすくなると思います。

Web化することで、えられる効果はなんでしょうか。

3つあると考えます。まずは、随時最新情報を提供できること。当市では、1年のうちにハザード情報が平均3~4回変更されます。その都度、紙のハザードマップを修正し全世帯に配布するのはコスト面を考えると難しいですが、Webであれば、低コストで更新でき、随時最新情報を提供可能です。ふたつ目は、Webだと縮尺変更ができるので、住民は知りたい場所の詳細な情報を取得できることです。紙の場合、ハザード情報の境界線が見えにくいケースがありますから。3つ目は、住所検索で情報取得ができることです。災害は、外出先など土地勘のない場所で起こることもあります。そのときに、現在地の住所を入力すればハザードマップが表示されるので、近くの避難所や周辺の安全なエリアを確認できるのです。

「紙」にはないWebならではの機能ですね。

そうですね。住民のみなさんには、これらのWeb機能を日ごろから試し、親しんでいただくことで、ハザードマップを身近なものに感じてもらいたいです。そして、災害発生時にはハザードマップをもとに、いち早く避難行動をとっていただければと思います。

閲覧制限のないシステムで アクセス集中に対応する

ホームページでハザードマップを公表している自治体はほかにもあります。違いはなんですか。

ほかの自治体では、紙のハザードマップを画像化し、PDF形式で掲載するケースが多いようです。Web版ハザードマップは、地図上で利用者の見たい場所を中心に閲覧できるのが大きな違いと思われます。

今後の防災啓発における強化策を教えてください。

災害時に、アクセス過多で地図が閲覧できなくなるという事態が発生しないよう、平成30年度から閲覧数に制限のない地図拠点案内サービスを導入しています。より多くの住民にハザードマップを使ってもらい、「自分の身は自分で守る」という意識をもっていただきたい。そのためにも、紙ベースとWebの両輪で情報提供し、住民のみなさんの防災啓発を推進していきます。

<支援企業の視点>ハザードマップのWeb化で 付加価値の高い防災情報を提供できる

自治体におけるハザードマップのWeb化への取り組み状況を教えてください。

当社が平成29年度から開始した、ハザードマップWeb化の提案のなかで、多くの自治体に興味を示していただいています。というのも、昨今の大規模自然災害の発生で、防災意識が高まっているからでしょう。現行の紙ベースでは伝えきれない防災・避難情報を盛り込めるWeb化の機運が高まっています。

どのようなカタチでWeb化をサポートしていますか。

自治体が作成した紙ベースのハザードマップ情報をshapeファイル形式でいただき、Web用に加工して納品します。自治体は、その情報をホームページにアップするだけ。ハザード情報の更新も、データをいただければ随時対応します。神戸市では、川の増水監視用に市が設置しているライブカメラ映像を、ハザードマップで閲覧できるようにしました。また、GPS機能(※)を追加すれば、利用者は現在地を中心に避難所の確認などができます。自治体の要望に対して、災害時に役立つ情報をひとつでも多く提供していきます。

今後、自治体の防災活動をどう支援していきますか。

Web化の一方で、紙ベースのハザードマップもこれまで同様に必要でしょう。紙とWebの双方からの情報提供により、住民はもちろん、観光客など多くの方々のさらなる安全確保につながります。長年全国のハザードマップを作成してきたノウハウを活かし、紙とWebのいずれも取り組むことができる当社に、ぜひお声がけください。

GPSを利用するには自治体側で「https」での公開が必要

ゼンリン
関西支社 関西自治体営業課
主任 坂田 憲彦

昭和46年、富山県生まれ。
立命館大学経済学部卒業。平成15年に株式会社ゼンリンへ入社。
自治体に対する電子地図の普及業務に従事している。

自治体関連お問い合わせ

自治体関連お問い合わせフォーム

自治体

地域住民の安全・安心を地図情報を通して実現します。

同じ業種の他商品事例・実績