自社開発のWEBアプリに組み込みが容易で、現場での効率的な鑑定調査業務を実現

震災で、境界すらわからない住宅地の鑑定調査を、効率よく行いたい

導入前の業務課題
  • 建物が残っていないため、場所の確定に時間がかかる
  • 紙の地図だと、かさばる上、水に濡れると破れることもある
  • 調査時の持ち物を減らして、短時間で効率よく回りたい

現在、『ZNET TOWN API/CGI』を採用したシステムを自社開発されてお使いですが、どのような経緯があったのでしょうか?

「従来の手法だと大変な作業になるな、と思っていた」と西川氏

「従来の手法だと大変な作業になるな、と思っていた」と西川氏

東日本大震災の後、ある被災地の自治体から、被災した住宅地を買い取るための評価のご依頼を受けました。津波による被害を被っていた地域では、建物が全く残っていない状況です。現地で、震災前の住宅地図や地番図などを確認しながら、どこからどこまでが対象地なのかを確定させる作業を行わなければなりませんが、調査ポイント数が数千地点あり、調査にかけられる時間も限られていたので、どういう方法でやるのが効果的か、検討していました。

そこでゼンリンにご相談いただいたんですね?

「紙は無くすリスクも大きい。デジタルマップなら安全」と川井氏

「紙は無くすリスクも大きい。デジタルマップなら安全」と川井氏

はい。従来の紙の地図を使った調査だと、雨に濡れるとぐちゃぐちゃになったり、破れたりする心配があります。被災地の調査に限らず、通常の調査業務でも同じことが言えますが、調査には住宅地図と地番図、調査票、デジカメなど、現地の調査に必要な物がたくさんあるので、現実的にそれらを持って回るのは効率が悪すぎる。なので、デジタルで一元化したシステムをつくろうと考えて、ゼンリンに相談したんです。

システムへの組み込みが容易な、高い精度の住宅地図データを低コストで導入でき、現地調査の大幅効率化が図れる

導入の決め手
  • 詳細な住宅地図を、自社開発のWEBアプリに利用できる
  • APIコードを組み込むだけなので、導入が簡単である
  • 紙の地図を現場で広げる必要がなく、タブレット1台で調査が完了する

『ZNET TOWN API/CGI』の導入によって、どのようなメリットが得られましたか?

「ZNET TOWN API/CGIは組み込みしやすい」と田中氏

「ZNET TOWN API/CGIは組み込みしやすい」と田中氏

まず、開発にあたっては、WEBアプリとして使いやすいAPI化された住宅地図のソースコードを組み込めばいいので、スムーズに導入できました。タブレット端末で利用できる現地調査システムが構築できたのは、『ZNET TOWN API/CGI』があったからこそです。開発から調査開始までは約1か月の短期間。その後、社内で改良を進めつつ、バージョンアップしたシステムや追加した地区の地図情報などを、随時現地でダウンロードしてもらうというやりかたで、効率的に進められました。
費用面での後押しも大きかったですね。月額いくらで端末何台までと利用コストが決まっていたので、無理のない導入が可能でした。
また、『ZNET TOWN API/CGI』は、当社が通常行っている他の調査業務にも活用でき、作業効率の改善につながっています。

現地での調査作業には、どんな効果がありましたか?

「タブレット1台で完結するので、圧倒的に業務が効率化した」と西坂氏

「タブレット1台で完結するので、圧倒的に業務が効率化した」と西坂氏

紙の住宅地図を広げる必要がなくなったことは大きいですね。雨で濡れて読めなくなったり、なくして個人情報が漏えいする心配もなく、広いエリアでもタブレットの画面で地図を確認できるわけですから。
調査に必要なすべてのアイテムがタブレット1台に集約されたことで、調査効率が上がりました。従来のやり方だと、現場をデジカメで撮影し、社に戻ってどの写真がどの現場のものかを照合する手間がかかっていたのですが、タブレットなら撮影したその場で調査票に貼っておけます。『ZNET TOWN API/CGI』のおかげで、調査から成果物の作成までがワンストップで行えるようになりました。
GPS機能も活用し、震災前の住宅地図と地番図を重ね合わせて、建物がほとんど残っていない現場を歩いて調査対象地を確定していく地道な作業でしたが、住宅地図が正確なので、ほとんど誤差なく確定できました。

他業務での活用と、さらなる業務効率化を目指す

導入効果
  • 住宅地図を必要とする他業務のシステムにも活用できる
  • 随時最新の住宅地図に更新されるので、さまざまな業務で安心して使える
「当社のさまざまな事業で活用できる可能性がある」と野上氏

「当社のさまざまな事業で活用できる可能性がある」と野上氏

震災後の土地調査で構築したシステムを、さらに応用して活用されているそうですね?

はい。固定資産の評価業務のためのシステムに改修して使っています。『ZNET TOWN API/CGI』は表札情報も確認できますし、随時最新のデータにアップデートされるので、非常に有効です。地図上に、路線価情報などさまざまなレイヤーを重ねることも簡単にできるので、固定資産評価業務の作業効率化が実現できました。

今後予定している展開や、ゼンリンへのご要望などはございますか?

他の業務でも、『ZNET TOWN API/CGI』を活用したシステムを構築しようと検討中です。劇的な業務の効率化が期待できますから。
要望としては、例えば現在地から次の調査場所までのルート案内ができるようになると、時間短縮が実現できるなと思います。移動に時間がかかるのは当然なのですが、将来的には、もっとも効率のいい最短ルートを、その時の道路状況や障害などを回避して表示できるようになると良いですね。

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導入商品

『ZNET TOWN API/CGI』は、現在新規販売を終了しており、より汎用性機能性の優れた後継サービスとして『ZENRIN Maps API』をご用意させていただいております。

ZENRIN Maps API

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ゼンリングループが提供するAPIサービスは、地図コンテンツや検索機能、位置情報に関連する機能を
WebサイトやWebアプリケーション、スマートフォンアプリ等に実装する為の開発ツールです。
各業界・業務と連携し、事業活動の効率化と新たな価値の創出を支援いたします。

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