アパート・賃貸マンション仲介・賃貸管理事業をはじめ、リース建築事業、設計・建築事業など、建築業と不動産業をトータルで扱う東建コーポレーション株式会社様では、ゼンリンのGISシステムを、社内・社外、様々なシステムに導入して運用している。GIS導入の背景と効果を、情報システム部とWeb制作室にお聞きした。

本事例に記載の情報は記載日時点のものであり、商品・サービス名などが最新の情報と異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。

ゼンリンの商品を導入した背景

施設詳細情報のニーズに応えて価値ある不動産情報サービスの推進へ

Success21

東建コーポレーション株式会社様(以下、東建コーポレーション)では、以前から情報通信技術やマルチメディア技術をいかに活用するかを追求してきた。その一環として平成5年に「マルチメディア仲介計画」が打ち出される。

どうすれば仲介物件をわかりやすく、美しく、しかも効率的にユーザーに伝えることができるのかを突き詰めていった結果、電子地図上で物件を登録し、地図とともに情報を発信するシステムの考案に至った。

情報サービスの推進とメディア・システム戦略は、情報システム部とWeb制作室の2つのセクションが担っている。

社内用システム「Success21」、フランチャイズ会員用システム「Success21 Basic」などの開発・管理・運用は情報システム部が担当。

山本氏

「『Success21』は、基本的には東建コーポレーションの事業所で使用するものです。このシステムで、東建グループ全社が扱う仲介物件の登録・管理を行っています。ここで扱う情報は、現場の担当者から来店されたお客様に、物件を紹介する際に用いる案内資料として利用されることもあります。フランチャイズ会員様向けシステム『Success21 Basic』では、会員様がこのシステムを利用して、東建コーポレーションのウェブサイトに物件を自動的に掲載することができるなど、会員様向けに作られた付加価値の高いシステムとなっています。」

「Success21」「Success21 Basic」には取扱い中のすべての物件情報が入っており、それらの情報は一般ユーザーが自由に閲覧できるWebサイト「ホームメイト」に反映される。「ホームメイト」への展開はWeb制作室が担当し、ユーザーへの情報提供を行っている。

東建コーポレーション株式会社 システム概要図

東建コーポレーション株式会社 システム概要図

しかし、利用していくなかで課題となる部分もでてきた。

「Success21」「Success21 Basic」では、以前は他社の地図データを1年に1回更新する形で利用していた。しかし、地図データと保有している施設情報との連携がなかったため、データ更新が煩雑で、地図上での情報活用がうまくできていなかったのだ。

さらに、施設情報も不十分だった。

山本氏

「たとえばコンビニだったらコンビニという情報しかなかった。そのため、狭い地域に同一のコンビニが複数あると分かりづらくなる。不動産は地域密着なので、より細かい情報が必要なんです。」

一方、Webサイト「ホームメイト」でも同様の課題を抱えていた。

平成16年にGoogle Map無料版を導入し、スムーズスクロールで使い勝手が格段に良くなった。だが、不動産情報はいかに付加価値の高い情報を提供できるかが、競合との差別化を図るための最大のテーマ。地図上の情報だけではなく、不動産物件にとって重要な周辺の施設データの件数や精度など、詳細情報へのニーズも高まっていたのである。

小島氏

「当時、クリックして、リロードせずに地図をスライドできるというのはGoogle Mapが最初。革新的な技術だったので、他社よりも先にいち早く導入したいという思いで取り入れました。ただ、今はそれが普通になっているので、情報の量や精度の高さが重要視されるようになってきました。」

ゼンリン商品の決定理由

Google Mapの利便性と先進性に施設情報の件数・精度・詳細さをプラス

東建コーポレーションでは、「Success21」「Success21 Basic」に拠点案内API・CGI、Webサイト「ホームメイト」にGoogle Maps API Premierと拠点案内CGIを導入した。

拠点案内API・CGIを導入した理由として、まずは情報の詳細さと精密さがある。

細江氏

「ゼンリンの施設情報は『××コンビニの○○店』まで詳細に表示できる。私たちが求めていた、より精度の高い情報がありました。」

小島氏

「ホームメイトでは、たとえばこれから入学する学校などの目標物から物件の検索を行うのですが、検索した際に現れる施設データの件数や、1年に6回更新されるという情報の精度は群を抜いていました。」

さらに、このシステムを使えば周辺の施設情報なども検索でき、地図に落とし込むことができる。

小島氏

「ホームメイトで物件を検索すると、テキスト情報の物件一覧が出ます。その物件を地図で見るという機能がPC版にはあるのですが、それを選択すると検索された物件が複数現れる。これはWeb制作室で開発しました。」

すでに多くのユーザーがなじんでいるGoogle Mapの使い勝手のよさと安心感、ストリートビューなど新たな機能が随時追加されていくその先進性は生かしたまま、必要な情報や機能を選んで組み込むことができるといった点を評価し、拠点案内API・CGIの採用に至った。

導入による効果

詳細な施設データとシステムの連携で作業の効率化、サービスの向上を実現

物件チラシ

システム導入により、地図上で詳細な施設情報を活用できるようになった。

山本 氏

「以前は施設情報をリスト形式で保有していたため、地図データと連携できていませんでした。今では施設(ジャンル)毎に必要情報のみ表示することができ、物件PRとなる情報を選んで出すなど、サービスの幅が広がっています。データ更新の手間を省くこともでき、作業の効率化にも繋がりました。」

細江 氏

「施設情報の表示が詳細で分かりやすくなり、サービスの質も高まりました。施設の情報を検索することもできるため、住所から物件周辺半径にある学校や施設を自動的に表示するなど、より付加価値の高い情報提供を行えるようになりました。」

また、物件案内チラシの作成にも役立っている。

山本 氏

「拠点案内の導入により、登録物件は直ちに地図付のきれいなチラシを作成することができるようになりました。全営業所にて情報の共有もできるため、業務効率の向上と、お客様への見栄えのいい物件案内図の提供が実現できました。」

そして、更新頻度の高さにより作業時間の削減も実現した。

細江 氏

「以前は社内で情報収集して、施設や学校などの情報をマスターデータ化していたのですが、現地の情報が変わると随時更新作業を行う必要がありました。今では、定期的に鮮度の高い情報に更新されるため、マスターの作成自体必要なくなり、作業時間の削減やデータの鮮度向上につながっています。」

このほか、仲介物件の査定を行う「仲介物件適正家賃査定システム」で拠点案内APIが採用され、物件近隣の施設ジャンル、距離、件数等の算出によりどれだけ入居者のニーズに応えられるかを確認している。

さらに、地図の検索や拡大・縮小、スクロールにはAPI、ジオコーティングと印刷にはCGIと、全社的に地図を活用している。

今後の展開

物件管理の作業効率化と入居仲介の強化 進化がさらなる進化を促進させる

現在「ホームメイト」のアクセス数は、月間4400万件以上。この情報発信力は、入居仲介の強化とも結びつき、さらに次のステップへのベースとなる。

小島 氏

「時代に合わせて、ユーザーの目も昔と比べて肥えてきています。どういう表示がユーザーにとって見やすいか常に考えていますが、それが正解にたどりついているかどうかはまだわかりません。継続して検証を行い、より良いものにしていこうと思っています。」

これからの地図を活用するサービスへの期待と夢にも限りがない。

小島 氏

「距離検索機能の精度も高めていきたいです。ルート検索で距離を出す機能はありますが、今後は自分が選んだルートに対して距離を出せるようにしたい。」

山本 氏

「不動産は地域密着ビジネスで、地図を使う局面が多い。もっともっと地図を上手に活用していきたいですね。」

細江 美成 氏

情報システム部 メディアサポート課 チームマネージャー 主席課長
細江 美成 氏
「機能については現状満足しています。もっと使いこなして、より良いシステムにしていきたいですね。」

情報システム部 メディアサポート課 職長 係長
山本 章貴 氏
「不動産は地域密着ビジネスなので、上手に地図を活用したいと思います。」

小島 大 氏

Web制作室 Web制作課 係長
小島 大 氏
「毎日試行錯誤。新しいメディアへの対応も課題です。」

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