3D地図データの活用で
プレゼンテーションに説得力が増し、
顧客との意思疎通がスピーディに
1979年、広島県呉市で創業した株式会社あい設計様(以下、あい設計様)は、構造設計を基幹事業としながら意匠設計、設備設計と業務領域を拡張し、現在では西日本を代表する総合設計事務所として広く知られるようになりました。
3年ほど前に社内でBIM推進室(現在はBIM統括室)が新設されたのを機に、ゼンリンの「3D地図データ」を導入。これにより、同社の業務にどのような変化をもたらしたのか、ご紹介します。
課題
周辺環境を含む合理的な設計プロセスの構築と、プレゼンテーション用ビジュアル資料作成にかかるマンパワーの軽減
ご提案内容
全国を網羅する3D地図を、一定の範囲内で自由に利用できる定額制オンラインサービスの提供
導入効果
設計立案におけるクライアントへの説得力向上。
ビジュアル資料作成時間短縮、協力業者発注コストの削減を実現。
導入企業様
株式会社 あい設計様
本社:広島県広島市東区上大須賀町10-16
資本金:4,500万円
従業員数: 331人(2022年11月現在)
事業内容: 構造設計・意匠設計・設備設計・耐震診断・工事監理
【関連記事】3D地図データの利用によって意匠のあり方が変わる。 BIM推進を加速させる あい設計に生じた設計手法の変化とは?
はじめに
廿日市市宮島まちづくり交流センターや尾道市因島総合支所など中国地方の設計案件から、警視庁四谷警察署、所沢市こどもと福祉の未来館など、首都圏内の設計案件まで、全国各地で大小の案件を手掛けるあい設計様。意匠といっても単に見栄えがいいだけでは説得力に欠けます。周辺環境も含めた土地の特性を踏まえた上で、論拠のある設計が求められるのです。また、プレゼンテーションで使用するビジュアルイメージの精密性を求めるためにも、ゼンリンの「3D地図データ オンライン提供サービス」をご利用いただくことになりました。
【課題】
説得力ある設計と高度なプレゼンテーション資料を求めて
これまでは環境シミュレーションなどを経ずに、デザイン性を主眼として意匠設計を行うこともありましたが、昨今、外観デザインにも裏付けとなる根拠がなければクライアントの納得を得ることが難しいケースが増えてきました。そこで必要性を増してきたのがプレゼンテーションの際に使用する説明資料です。この説明資料の核となるのが、周辺環境を精密に表現する3D地図データです。対象となる建築物周辺における高精度の地図データを用いた資料は、なぜこの意匠にたどり着いたのかを説明する根拠となります。
また、あい設計様は、より具体的なイメージをクライアントと共有できるプレゼンテーション資料の作成にもフォーカスしていました。より精度の高い資料によって、プレゼンテーションの成功率を向上させようとしたのです。
【提案内容】
全国を網羅する 「3D地図データ オンライン提供サービス」ご導入
展示会で3D地図のデモデータをご利用いただいたことがきっかけとなり、「3D地図データ オンライン提供サービス」の完全従量課金プランをご契約いただきました。
次第に利用するデータ数が増加したため、現在では定額で制限単位内なら必要なときに必要な分だけ3D地図をダウンロードできるボリューム別プランをご利用いただいております。
【導入効果】
周辺環境に馴染み、より魅力的な意匠設計が可能に。ビジュアル資料のクオリティアップによってプレゼンテーションのアピール度も向上。
必要なエリアの3D地図データをスピーディにダウンロードできることで、設計段階における意匠立案のプロセスが変化しました。ダウンロードした3D地図データはBIMソフトに取り込むことで、リアルな周辺環境の状況把握が可能に。こうして出来た資料からは周囲の景観、日照の状況、風の流れなどを知ることができ、最適な建物の向きや壁面の構成、窓の位置などを決定していく際の理由付けに説得力が増しました。
また、これまでは2Dの地図や模型制作によって周辺環境を表現していたプレゼンテーション資料が、よりリアルで正確な3D地図によって質の向上につながり、以前より説得力を増したプレゼンテーションが可能となりました。
【活用例】
3D地図データの有効活用で、適切な設計の「解」を求める
とある中学校の設計を行う前段階で、設計チームは周辺環境を詳細にリサーチしました。その結果、周辺にそびえる象徴的な山並みを建物の設計にも活かすというアイデアが浮上。そこで校舎の中からこの山が美しく見えるよう建物のあり方や窓の配置を設計。この山を建物自体のデザインコンセプトに設定し、随所に「山」を意識したデザインが出来上がっていきました。
プレゼンテーション資料を作る際にはゼンリンの3D地図データをLumionに取り込んで動画を作成。周辺の豊かな自然環境や、特徴的な山の勇姿をリアルに再現し、校舎の中からその山がどのように見えるかなども含め、臨場感あふれる動画を説得力あふれるプレゼンテーション資料として仕上げることができました。
また、「風」の流れを3D地図データによって正確につかめたという別の案件もあります。当初、公表された過去の気象データから推察したところ、設計対象の建物には東から風があたるという見立てでした。ところが3D地図データを利用して周辺環境を検証した結果、そのエリアでは複雑に密集する建物によって風の流れが変化し、対象の建物には東からではなく西から風が吹き込むという事実が判明。この検証結果によって適切な位置に窓を配置し、建物内にも気持ちよく風が通る設計が可能となったのです。
ゼンリンでは、このように設計、プレゼンテーションの精度や魅力の向上に寄与する3D地図データを豊富に揃えております。ぜひご活用ください。
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