ハザードマップでリスクを「知り」、「いつ・どう動くか」を決める
2026年8月25日
株式会社ゼンリン
近年、大雨や台風による被害が各地で発生するなか、気象業務法・水防法改正を受け、2026年5月から新たな防災気象情報(※)の運用が開始されました。これにより、各警戒レベルと対応する避難行動が、より分かりやすい体系へと見直されています。一方で、ハザードマップなどを「以前見たことがある」ものの、自宅周辺などの危険箇所や避難経路、避難方法までを確認・整理できていないケースも少なくありません。
ゼンリンは全国724の自治体でハザードマップの作成を支援しています。9月1日の「防災の日」にあわせて、全国各地のハザードマップ整備に携わる立場から、新しい防災気象情報と対応する避難行動計画の立て方など、今こそハザードマップを使用して再確認しておくべきポイントを紹介します。
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国や都道府県等が段階的に発表し、災害への警戒を呼び掛ける注意報、警報、特別警報など
ハザードマップは「もしも」の時の行動を考える地図
ハザードマップは、河川・内水による氾濫、土砂災害、高潮、津波、地震などが起きた場合に想定される被害の範囲を地図上に示したもので、自治体から紙で配布されるほか、各自治体や国土交通省のウェブサイトでも確認できます。
また、ハザードマップは災害種別ごとに公開される場合や、複数の災害をまとめた「総合防災マップ」として公開する自治体もあります。まずは自治体が公開している最新版のハザードマップを確認し、「もしも」の時の行動を考えてみましょう。
(左から)冊子版、WEB版のハザードマップ イメージ
なぜ今、ハザードマップを改めて確認すべきなのか
防災気象情報が、避難情報の警戒レベルに対応
2026年5月から新たな防災気象情報の運用が開始されました。河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する情報は、住民の避難行動と連動した5段階の「警戒レベル」に合わせて整理され、情報名称にも警戒レベルが明示されるようになりました。
例えば河川の増水時、これまでは「洪水警報」などだった名称が、「レベル3氾濫警報」「レベル4氾濫危険警報」のように発表されるようになり、自分がいつ避難すべきかが分かりやすくなりました。ハザードマップを見て「我が家の避難タイミング」と避難行動を事前に確認しておきましょう。
ハザードマップの更新により、新たな浸水リスクが示される地域があります
2021年の水防法改正により、中小河川もハザードマップの作成・公表対象に追加されました。2026年3月までに全ての対象河川で洪水浸水想定区域の指定が完了しており、これに伴い、ハザードマップの更新が全国各地で進んでいます。これまで浸水想定区域が示されていなかった地域についても、新たにリスクが明らかになるケースがあります。そのため、一人ひとりが最新のハザードマップを確認し、自宅や職場周辺のリスクと具体的な避難行動を改めて確認することが重要です。
公表の対象に中小河川が追加されたことにより、新たに浸水リスクエリアが可視化されているケースがあります
ハザードマップ確認のポイント
1. 自宅・職場・学校の災害リスクを確認する
まずは自宅周辺のハザードマップを用意し、自宅、職場、学校など日常的に過ごす場所に印を付けて、周辺の災害リスクを見てみましょう。周辺に色が塗られている場合は、想定される災害種別や、その程度を確認することが重要です。どのような災害リスクに当てはまるのかを確認していくと、有事の際の行動がイメージしやすくなります。過去に一度安全を確認した場所も、改めて確認すると危険区域に変化している可能性がありますので、定期的な確認を心がけましょう。
ハザードマップ 確認イメージ
2. 避難先と避難経路の安全性を確認する
避難施設の場所だけでなく、そこへ向かう道にも目を向けます。河川沿い、低い土地、アンダーパス、土砂災害警戒区域など、災害時に通行が難しくなる場所がないかを確認しましょう。
災害の種類や自宅の状況によっては、必ずしも遠くの避難施設へ移動することが最善とは限りません。安全な親族・知人宅への避難や、自宅の上階への移動なども含め、自治体の避難情報を確認しながら複数の選択肢を考えておくことが大切です。
3. 避難行動のタイミングを決めておく
ハザードマップでリスクを把握したら、「警戒レベル3で避難を始める」「警戒レベル4までに安全な場所へ移動する」など、家族や自分自身の行動の目安を決めます。
地域のリスク、家族構成、移動手段、避難に必要な時間は人によって異なります。災害が迫ってから考えるのではなく、平時に自分や家族の避難行動を整理しておくことが重要です。
防災に関するゼンリンの自治体連携について
秋田県 五城目町 『五城目町防災マップ』 導入事例
五城目町は、秋田県中央部に位置する「朝市と城のある町」として知られています。約500年続く五城目朝市をはじめ、豊かな自然と歴史文化が息づく魅力溢れる町であり、地域コミュニティのつながりを大切にしたまちづくりが進められています。同町では、住民の防災意識向上と迅速な避難行動の促進を目的に、『五城目町防災マップ』を5年ぶりに全面更新し、2026年5月29日より、WEBサイトでの公開、町民への無償配布を実施しました。
ゼンリンが制作支援を行った今回の更新では、新たに運用が始まった防災気象情報への対応に加え、令和5年7月豪雨における浸水実績を反映し、洪水・土砂災害・津波に関するハザード情報が更新されました。住民が自宅や勤務先、避難経路周辺の最新の災害リスクを具体的に確認できるようになり、防災・減災対策の強化につながっています。
五城目町様『五城目町防災マップ』 掲載内容(一部)
担当者コメント
公共ソリューション事業本部 省庁ソリューション営業部 浅田 孟
ゼンリンは、全国各地の自治体の皆様と連携し、地域の実情に即した防災マップの整備や活用を支援しています。
現在、新たな防災気象情報の運用開始や、中小河川の洪水浸水想定区域の指定などにより、各地の自治体で、避難行動や災害リスクに関する情報が更新された防災マップが順次公表されています。防災の日を機に、ご自身やご家族がお住まいの自治体や、通勤・通学されている自治体の「最新の防災マップ」を改めてご覧いただき、災害発生時のリスク・避難先・避難経路などの把握と、避難行動の計画にご活用いただければと思います。