

現在、物流業界ではドライバー不足が問題になっています。さらに、ECサービス等の利用者が急増したことからドライバーの負担は増え、人材不足は深刻化しているのです。そのため、今は業界だけでなく政府からも急速な取り組みが求められています。
そもそもなぜドライバーが不足しているのか、どのような対策をすれば良いのかなどについて、わからない方も多いでしょう。
今回の記事では、トラックドライバー人口の今後の見通し、ドライバー不足の原因や解決のための対策について詳しく解説していきます。
ドライバー不足に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
ドライバー不足について

ボストンコンサルティンググループ(BCG)が2017年10月に発表した資料によると、2017年には83万人であったトラックドライバー人口は2027年には11万人減少し、72万人になると推計されています。
これは、少子高齢化や職業としてトラックドライバーを選択する人の割合が減少してしまうことが原因の一つと考えられるでしょう。
今後はさらに、 ECサービス拡大に伴う荷物量増加などによりトラックドライバーの求人需要増加が見込まれており、日本のトラックドライバーの数は2027年には24万人足りなくなるとも推計されています。国土交通省によると、平成30年の有効求人倍率について全職業が1.49なのに対し、貨物自動車運転手は2.79との結果が出ています。この結果から、現時点でも人手不足の深刻化が問題になっていることがわかります。
深刻なドライバー不足の原因は?なぜ?
深刻なドライバー不足の原因には、以下の3つがあります。
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少子高齢化による労働力不足
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長時間労働などの過酷な労働環境
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交通事故の危険性
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年収が相対的に低い
ここではそれぞれの詳細を見ていきましょう。
少子高齢化による労働力不足
当然ながら、少子高齢化による労働力不足はドライバー不足の原因にもなっています。従来、若年層が担ってきたドライバーですが、若年層が特に減り続けていることで、必然的に労働市場にいる人材が不足してきているのです。
総務省統計局によると、2022年8月の日本の総人口は1億2508万2千人で、前年同月に比べ55万1千人も減少しています。また、生産年齢人口(15~64歳人口)は 7426万3千人で、前年同月に比べ35万2千人減少しています。人口は減少の一途をたどり続けているため、さらなる労働人口の不足は避けられない問題だと考えられるでしょう。
長時間労働などの過酷な労働環境
長時間労働など、過酷な労働環境もドライバー不足の原因です。トラックドライバーは1日中運転し続けたり、真夏の炎天下でも外を走り回ったりすることもあり、過酷な労働環境に置かれています。
また、人手不足が原因でさらに現場の労働負荷が極まり、労働環境の過酷さが増してしまうという構造があります。その上最近ではECサービス等の需要が増え、ドライバーの労働負担がさらに引き上げられているのです。
労働環境が過酷であれば従業員が抜けてしまい、採用してもすぐに辞めてしまうという悪循環が起きてしまいます。トラックドライバーは夜勤配送や長距離配送があり大変そうなイメージも持たれているため、そもそも職業として選ばれにくいのも問題だと考えられるでしょう。
交通事故の危険性
ニュース等ではトラック事故が放送される機会も多く、危険なイメージを持たれていることもドライバー不足の原因の一つと考えられるでしょう。そもそも、最近の若者は昔ほど車を運転する機会が減ってきていることもあり、トラックドライバーとして就職するイメージができない人も多い傾向です。
また、トラックを運転するためには免許の取得も必要です。免許の取得にはコストもかかるため、わざわざトラック運転に必要となる準中型や中型免許を取得してまでドライバーになろうと思う人は少ないと考えられます。
トラックドライバーとして就職しようとすると、配偶者など家族に拒否されることもあるといいます。これは、勤務形態が特殊であることなども影響している可能性もあります。
年収が相対的に低い
国土交通省によれば、トラックドライバーの年収は、全産業平均に比して5%~10%程度低い状況となっています。年収が低ければ当然職業としての魅力も低く、この職業を目指す人は減ってしまうでしょう。
また、昨今のインフレによって、そもそも賃上げも難しくなってきているのが現状です。年収が低く労働環境が過酷なことを考えると、ドライバー不足が問題になるのは仕方のないことだといえるかもしれません。
トラックドライバー不足を解決する対策は?

ドライバー不足を解決する対策には、以下の2つが挙げられます。
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良質な労働環境の整備
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人手不足を解決するために業務効率化を推進する
ここではそれぞれの内容を解説していきます。ドライバーの人材不足に悩んでいる方は、参考にしてみてください。
良質な労働環境の整備
長時間労働で疲れた場合には適切に休めることができるような体制づくり、そもそも労働時間を少なくする工夫や、疲れたときには休むことができる有給休暇制度を整備することが重要です。また、「健康経営」と呼ばれる施策を打つこともおすすめです。
「健康経営」とは、従業員の健康促進を重視し、健康管理も経営の課題として積極的に改善に取り組む手法をいいます。
健康経営には健康診断の奨励や、社員の健康に気を使った社食制度を作るなど、さまざまなものが考えられます。他にできる施策には、以下があります。
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有給休暇の完全消化を目指す
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屋内での喫煙を禁止する
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産業医面談を実施し、従業員の健康状態を確認する
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健康管理の専属部署を設置
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健康のための動画を配信
良質な労働環境がアピールできれば、ドライバーの採用にもつながりやすくなるでしょう。
人手不足を解決するために業務効率化を推進する
人手不足を解決するために業務効率化を推進することも有効な対策です。そもそも、人手に対して業務が多すぎるのが問題で長時間労働が起こっているなら、業務効率化を目指してより少ない人手で業務をこなせるようにしなければなりません。
そのような場合におすすめな手段の一つとして、デジタルツールが挙げられます。デジタルツールを積極的に使い、配車計画やルートのナビなどができれば、業務効率化が可能になるでしょう。
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ドライバー不足を解決しましょう

ドライバー不足の原因には、少子高齢化や長時間労働、年収の低さが挙げられます。今はECサービス等の増加により、さらなる人材不足や労働力の過酷さが加速する可能性も考えられます。この状態を打破するためには、業務効率化を図ることが欠かせません。しかし、いくら今の状態から業務効率を測ろうと思っても、限界があるのも事実です。
ZENRIN ロジスティクスサービスを利用すれば最適なルートを短時間で作成でき、配送時間の短縮が可能になります。また、配送ルート作成者の労力を減らしたり、教育時間やコストを削減したりすることも可能です。ツールの利用により業務効率化ができれば、ドライバー不足だけでなく、管理側の人材不足も解消できるでしょう。