ジオコーディングとは?業務効率化を果たし、正確な住所情報を取得する方法を解説

運送業やタクシーの運転手、ルートセールスを行う営業社員など業務に地図が欠かせない仕事は多数あります。建設コンサルタントや不動産デベロッパーも同様です。商業施設の開発や顧客への提案を行ううえで、正確な地図情報の取得は欠かせません。そこで地図情報の活用を効率的に行うために必要となるのがジオコーディングです。今回は、ジオコーディングの概要や実施に際して必要となるもの、実施によって得られるメリットをお伝えします。ジオコーディングを知って業務の効率化や生産性向上におつなげください。

ジオコーディングとは?

ジオコーディングとは、特定の住所や地域名、駅・史跡名などの施設情報を緯度経度情報(ジオコード)の地理座標値に変換することを指すものです。
インターネットで場所名や住所を入力して検索すると、地図上にピンポイントで住所の位置が表示されます。これは、検索エンジンや地図サービスが場所名や住所といった施設情報を、緯度経度情報に自動で変換。つまりジオコーディングを行っていることで正確な場所を表示しているのです。
例えば、国会議事堂をGoogleマップで検索すると、国会議事堂という場所名が緯度「35.676086」経度「139.744753」という情報に変換して地図上にピン表示します。ジオコーディングの技術があるからこそ、私たちはインターネットでの地図検索において正確な住所を知ることができるのです。
また、商業施設開発においてもジオコーディングは効果を発揮します。仮に競合店の住所を把握していても、それだけでは単なる住所データです。しかしジオコーディングを行うことで、地図上で位置が可視化され、分布がわかるようになります。特に不動産関連や商業施設開発を行う方にとっては欠かせない技術といえるでしょう。

リバースジオコーディング、逆ジオコーディングとは?

住所や場所名などの地図情報を緯度経度情報に変換することをジオコーディングといいます。これに対し、緯度経度情報を地図情報に変換するのはリバースジオコーディングもしくは逆ジオコーディングです。
例えば、国会議事堂の緯度経度情報をGoogleマップに入力して検索すると、国会議事堂の位置が地図に表示され住所を引き当てられます。そのため、住所がわからず緯度経度情報のデータしかない場合でも、地図上で正確な場所を表示させることが可能です。

ジオコーディングを行う際に必要なものとは?

ジオコーディングを行うために必要なのは、ジオコーディングをしたい住所データです。また、緯度経度情報から住所データを取得するリバースジオコーディングをするには緯度経度情報も必要になります。そして、住所データや緯度経度情報を用いてジオコーディングをするための「ジオコーダー」が必要です。
ジオコーダーには、大きくツールとAPIに分けられますが、それぞれについて簡単に解説します。

ジオコーディングを行えるツール

ジオコーディングを行えるツールでもっとも手軽に利用できるのは、Googleマップです。Googleマップでは、住所や場所名などの地図情報を入力し、表示された場所をクリックすれば緯度経度情報も知ることができます。ただ、例えば100件以上ある顧客の住所データにジオコーディングを行うようなケースでも、1件ずつGoogleマップに住所を入力する必要が生じます。
また、電話番号しかわからない顧客であれば、住所がわからずジオコーディングもできないため、顧客に確認しなければなりません。そのため、大量の住所データをジオコーディングしたい場合には、パソコンやサーバーにインストールして使えるソフトウェアタイプやAPIの活用をおすすめします。

ジオコーディングを行えるAPI

APIとはApplication Programming Interfaceの略称で、ソフトウェアやプログラムなどの間をつなぐインターフェースです。例として、自社のWebサイトで天気予報を表示させるには、天気予報を行うプログラミングを一からつくらなければなりません。しかし、天気予報のプログラムをAPIで公開しているサービスを利用すれば、天気予報APIを呼び出す設定をするだけで、自社のWebサイトに天気予報を表示できます。
ジオコーディングを行うAPIも同様で、自社のWebサイトや社内で利用するWebアプリケーションにジオコーディングのAPIを呼び出す設定をするだけで、ジオコーディングが行えます。
APIは自社のWebサイトに掲載し、訪問したユーザーに対するサービスとしての利用が一般的です。

ジオコーディングを行うことのメリット

ジオコーディングを行うことで得られる最大のメリットは、住所データを簡単に地図上に表示(マッピング)できる点です。複数住所の表示をすべて手作業でやるとなれば、かなりの手間がかかります。
特に不動産開発や建設コンサルティング業などで、数百、数千の住所データを一件ずつ手作業で入力して地図上に表示するのは容易ではありません。しかし、ジオコーディングならばすぐに地図表示ができるようになるため、大幅な業務効率化が可能です。

ジオコーディングの活用例

ジオコーディングにはさまざまな活用方法があります。具体的には以下のようなものです。

不動産情報の管理

建設コンサル業や不動産売買業などで業務をスムーズに進めるには、自社が持つ土地を地図上で分布させ、顧客にわかりやすく提示する必要があります。
商業施設や大型のオフィスビルなどの建設の場合、周辺の情報も土地選択の重要なポイントです。しかし、毎度最新情報が掲載された地図に自社が持つ土地をマッピングしなければならず、その手間は膨大となってしまうという課題があります。

⮚ジオコーティング活用の効果

そのようなケースでジオコーディングを活用すれば、最新の地図に住所データをマッピングするだけなので、毎回、手作業で行う必要がなくなり、常に最新の情報を顧客に提示できます。

大量の住所データを地図上にマッピングする

メーカーや商社は、地域ごとの販促計画や顧客の誘導を行うために、自社商品を販売している店舗・小売店の把握をする必要があります。
自社商品を扱う直営店だけであれば、把握するのにそれほど手間はかかりません。しかし、直営店以外は頻繁に入れ替わる可能性もあり、定期的な確認が欠かせません。しかも全国展開している商品となれば、その手間は膨大で社員にかかる負担も増大してしまいます。

⮚ジオコーティング活用の効果

そのようなケースでジオコーディングを活用すれば、販売店舗の住所データだけを確認するだけで、後は地図上にマッピングし、可視化させることが可能です。その結果、社員の負担を軽減しつつ、効果的な販促施策の立案、顧客の誘導が行えるようになるでしょう。

特定地域の人流変化の調査

不動産業や商業地域開発を行う企業が、新たな建物・商業施設に建設を検討する際、判断材料のひとつとして自社が持つ土地周辺の人流を調査する必要があります。
自社が所有する土地周辺のみの人流をピンポイントで調査するにも、件数が多いと手間やコストがかかってしまうため、二の足を踏んでしまっているケースは少なくありません。

⮚ジオコーディングのさらなる活用

ジオコーティングに弊社の「混雑統計」を組み合わせれば、自社が持つ土地周辺をピンポイントで調査可能です。混雑統計では、およそ700万台の携帯電話のGPSから数分間隔で得られる位置情報を独自のノウハウで解析しているため、常にリアルタイムでの混雑状況を分析できます。これに自社の土地データをジオコーディングでマッピングすれば、手間を抑えて、より精度の高い人流データの分析が可能になるでしょう。

ジオコーディングを効果的に活用し、業務の効率化を

ジオコーディングとは、特定の住所や地域名、場所名などの地図情報を緯度経度情報(ジオコード)の地理座標値に変換するものです。一件ずつ手作業で住所データを入力する手間を軽減し、効率的なデータ登録、地図上へのマッピングを可能にします。
ジオコーディングを行う方法はいくつかありますが、なかでもおすすめなのはツールやAPIを使う方法です。大量の住所データがあってもジオコーディングをより効率的に行えます。
弊社では、お客様からお預かりした住所・名称・電話番号を基にマッチング処理を行い、経度緯度情報を付与するジオコーディングサービス、「座標付与サービス」の提供を行っています。電話番号しかわからない場合でもジオコーディングが行えるため、作業の手間を大幅に軽減し、正確なジオコーディングが可能です。
また、住宅や商業ビル・オフィスビルをはじめマンションや、アパートなど全国約3,800万棟の建物一軒一軒の情報について、はじめから緯度経度情報が付加されている「建物ポイントデータ」も提供しています。所在地の緯度・経度情報、建物面積や集合住宅の戸数、オフィスビル・商業ビルの部屋数、店舗数も収録しているので用途に応じて自社に合ったサービスの活用をおすすめします。

詳細は以下のリンクからぜひご確認ください

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