矢次 耕太郎

「まだ見ぬ地図」の実現に向けた、
地図データベースの研究・開発

研究・開発
矢次 耕太郎 Kotaro Yatsugi

2010年入社
芸術工学府 芸術工学専攻
コンテンツクリエーティブデザインコース修了

私の仕事

従来とは異なる、新しい地図を作りたい

紙の地図は大昔から存在し、現在ではコモディティ化(汎用品化)が進んだこともあり、少なからず差別化の難しい汎用品として認識されています。しかし私は、まだ多くの可能性を秘めていると信じています。その可能性を拓き、新たな地図データベースの研究開発と表現手法を研究しているのが私の部署です。ある意味、社内で最も先進的なことを手掛けていると言えるかもしれません。なぜなら、私たちは従来の地図とは異なる、新しい地図を作ろうとしているのです。

概念的な話になりますが、例えば個別のニーズにあった地図。個々人の、その時の要求に応じた、カスタムメイドの地図がその例です。同じ人間でも、時期や目的によって必要とする地図は異なります。また、地域の特徴というものもあります。植生や気候・地質といった情報、あるいは文化的・歴史的特性を地図に盛り込めたとします。そして、それらの情報をただ盛り込むだけでなく、意味を持たせ体系化することができたら、地図は新しい情報のプラットホームとして生まれ変わります。そのために必要なのが、「地図化のための編集」であり、実現するには、「地図を使って何がしたいか」という欲求と地図情報とを関連づけ、最適に表現・構成するためのデータベースが必要になってくるのです。これが、私が研究対象としているデータベースです。

こんな事業に携わっています

1日の仕事の流れ

09:00

朝礼(1日の計画についてチームで打ち合わせ)

10:00

打ち合わせ(システムの設計について検討)

12:00

昼食(会社の外へ出て、色々なお店でランチ)

13:00

システム開発・地図試作

15:00

打ち合わせ(地図の表現手法について検討)

17:00

夕会(進捗の確認、課題と対策をチームで打ち合わせ)
(時間外勤務は、業務の継続性により行うことも。1時間程度)

仕事の難しさ・醍醐味

明確なゴールや方法のない、手探りで進める仕事

明確なゴールや方法のない、手探りで進める仕事

私たちがやろうとしていることは、未だ鮮明な形を表していません。よって、明確なゴールや方法が用意されているわけではなく、文字通り手探りで進める以外ありません。一方で、変化の著しい世の中において、スピーディーな開発も期待されています。しかし、いつ、どのような商品やサービスを提供するのか、その姿はまだ見えていません。雲をつかむような話と思われるのも、無理はないと思います。

ただ、そうした夢を追う中で、少しずつですが形になっているものもあります。それは、東京駅周辺、銀座、神戸、博多といった繁華街の試作地図です。2次元の紙の地図の上にランドマークとなる構築物を3Dで配置し、地下街や街路樹、屋台エリアなど地域の特徴を地図に重ね合わせて表現した従来にない紙地図の試作です。その中で、地上と地下を重ね合わせた東京駅周辺の地図のアイデアは配属直後の私が提案したものです。それが採用され、印刷物の試作品ができ上がった時は嬉しかったのを覚えています。試作が本サービスや商品になり、ご覧になった人の共感や驚きが加われば言うことはありません。余談ですが、銀座の地図では、ブランドショップや史跡のデータが不足していたので、自ら一日中歩いて現地調査を行いました。先進的な仕事ではある一方で、地道な仕事も行っています。

未来へ向けて

その土地の空気感まで伝わる地図を生み出してみたい

その土地の空気感まで伝わる地図を生み出してみたい

先日は、試作地図を制作する過程で、「ここはこのような地域であるためこのように地図表現することが適切」という判断基準をコンピュータに記憶させました。こうすることで、他の地域で同様の地図を作る際、これまでの経験からその地域に適した表現をコンピュータに自動的に判断させることが可能になります。現在はこのような試みに、ひとつずつ取り組んでいます。

この仕事で大事なのは、常に環境を洞察しつつ目標や理想像を持ち、それを周囲と共有して新しいものを創造する能力。私自身、より一層磨いていかなければならないものだと感じています。同様に、マップクリエイターとして必要な技術や知識も高めていかなければなりません。幸運にも、私はさまざまな分野での専門知識を持った方々に囲まれていることもあり、いつも新たな発見があります。これからも現状に満足せず、新たな技術・知識をどん欲に習得し、いつの日か、土地の空気感まで伝わる地図を生み出したいと思っています。

学生の皆さんへ

自分と会社の未来をイメージしてみよう

自分と会社の未来をイメージしてみよう

就職活動では迷うことや悩むことも多いと思います。自分自身を振り返ると、会社と自分、お互いが目指す将来を比較し考えることがヒントになると思いました。学生時代、「多様なコンテンツを人々に有効的に提供できるシステムの開発」を研究テーマとしていた私は、地理情報こそ人間とITをつなぐ有力な意味情報ではないかと考えました。そしてその情報を最も保有している可能性が高い会社として、当社を志望しました。現在や過去よりも、自分と会社の未来をイメージしたら、この会社ならやりたいことができるのではないかと思ったのです。入社後、期待は間違っていなかったことを確信しました。当社では、ともに理想を追いかけられる仲間や環境があります。ぜひ一緒に夢を形にしましょう!

※掲載の情報は2012年12月現在のものです。

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