ポスティングが違法になるケースとは? 知っておくべき注意点とトラブル回避のポイント

手軽で効果的な集客手段として人気のポスティングですが、実施には見落としがちな法律や規則があります。ただ配るだけ…と油断していると、思わぬトラブルの原因に。安心して販促活動を行うために、ポスティングの違法性の有無と法令の関係、問題が発生しないためのポイント、トラブル時の対処法を事前に把握しておきましょう。

この記事でわかること

ポスティングがどのような場合に違法と見なされるか

ルール違反やクレームを避けるための注意点

万が一トラブルが起きた時の対処法

2026年2月6日更新

ポスティングは違法か

結論から言えば、ポスティングをすること自体は違法ではありません。
ポスティングの多くは、企業が利益を得る過程における販促活動の一部です。基本的に、細かい許可を取ることなく、無断で家庭のポストにチラシなどを投函することになりますが、そうしたポスティング自体を取り締まる法律は存在しません。しかし、ポスティングに関連して、違法行為につながってしまうリスクは否めません。
例えば、投函禁止が表記・要請されている住宅に配布することや、集合住宅などで管理者の意思に反した投函をした場合に訴えを起こされ、違法とされたケースもあります。それでも、ポスティングの行為そのものが罪に問われた例はありませんが、その際に関わった企業や個人の評価が下がってしまったり、かえって集客が落ち込んでしまったりする可能性はあるでしょう。
ポスティングを通して、罪に問われる行為につながってしまうリスクを意識し、ルールやマナーをしっかりと守りながらポスティングを実施する必要があります。

違法になるポスティングに関連した行為とは

では、違法と見なされるおそれのある行為として、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。関連する法律を踏まえて解説します。

住居侵入罪に該当するケース

ポスティングは、住居侵入罪に問われる可能性があります。なお、法律上、住居侵入罪は以下のように定められています。

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刑法第百三十条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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この罪に該当されるケースとしては、ポスティングによる投函を拒否することを表明している住宅の敷地内に入った場合が考えられます。
ポスティングは企業の販促活動のひとつですが、それが「正当な理由」に該当するかどうかの判断は難しいものです。ポスティングを有益な情報提供という意味でとらえることで、一般的には禁止されていないと考えられます。しかし、居住者がこれを拒絶している場合は、上記の法律が適用される可能性があります。実際には、政治的な意図があるチラシで住居侵入罪に該当された判例が見られます。
ポスティングする側が有益な情報提供をしていると考えたとしても、居住者や管理者など、土地や建物に権利を持つ人の意図が優先されることを忘れてはなりません。

軽犯罪法に該当するケース

住居侵入罪と同様に、禁止区域への立ち入りやポスティングを拒否する意思表示に反した行為があった場合には、軽犯罪法に問われる可能性があります。
軽犯罪法は、法律上、以下のように定められています。

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軽犯罪法第一条三十二号
入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者
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「チラシお断り」「ポスティングお断り」「許可を有するもの以外の立ち入り禁止」など、明確な意思表示がある場合には、戸建て住宅・集合住宅を問わず、ポスティングは避けましょう。

風俗営業法に抵触するケース

風俗営業法でポスティングに関連するのは、以下の条文です。

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風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第二十八条第5項
店舗型性風俗特殊営業を営む者は、前条に規定するもののほか、その営業につき、次に掲げる方法で広告又は宣伝をしてはならない。…ビラ等を頒布すること。
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風俗営業にはキャバレーやクラブ以外にも、料理店、カフェなど客の接待をして飲食させる営業形態が含まれます。ただし、風俗営業法違反に該当するのは、性風俗店やアダルトビデオ等の通信販売など、いわゆるピンクチラシの投函です。
また風俗関連以外でも、公序良俗に反したチラシについても自治体の条例に触れる可能性があります。ねずみ講の勧誘といった犯罪に関わるチラシの配布は、多くの場合に禁止行為とされています。

郵便法に抵触するケース

郵便法に抵触して、裁かれたケースもあります。郵便法では信書にあたる文書を、直接投函した場合に違法とされています。信書とは、不特定多数ではなく特定の受取人が認められる文書です。
チラシ、カタログ、イベント告知、サンプルの配布は信書ではありませんが、「○○様へ」など個人名がある場合にはポスティングできません。

ポスティングでクレームになった際の対処法

ここまで紹介したように、違法行為につながるポスティング行為は避ける必要があります。しかし、それ以外にも、チラシの内容への不満やポスティングする人の態度などで、クレームに発展するようなケースも考えられます。万が一、クレームが発生した場合、トラブルをそれ以上大きくしないよう迅速に対応しなければなりません。具体的な対処法をまとめました。

謝罪する

法的に問題がない場合でも、配布先が不快感を示していることを重視し、相手の気持ちを和らげることが先決です。まずは誠意をもって謝罪を行いましょう。その後、状況把握を行い、クレームにつながった原因や理由を明確にするとともに、自社内で情報共有を行いましょう。説明が可能であれば、先方に事情を説明し、理解を得られるように努める必要があります。

チラシ回収

クレームがあったら、先方に破棄をお願いするのではなく出向いて回収し、誠意を示しましょう。できるだけ早く先方に伺い、お詫びするとともにチラシを引き取ります。先方が受け取りを拒否した場合には、丁寧に謝罪したうえで、破棄してもらうことに感謝の気持ちを伝えることも大切です。

今後の対応を確約

クレームを受けたら、謝罪と同時に、今後一切投函をしないことを明確に約束します。投函禁止のリストに記載し、スタッフへの徹底を行う旨を伝えるなどの具体策を示しましょう。社内教育も見直し、その他のポスティング行為においても、改善を図ります。

理不尽な要求には応じない

クレーム対応として謝罪を行った際、理不尽な要求がある可能性が考えられます。しかし、理不尽な要求には応じない姿勢も必要です。なかには、誠意の証として金品を要求されるケースもあります。安易に対応してしまうと、金銭トラブルに発生するかもしれません。相手の要求を見定め、毅然とした態度で臨むことが重要です。謝罪を重ねても納得が得られない場合には、第三者・弁護士を通じて話し合うようにして、早期解決を図ります。また、こうしたケースに迅速に対応できるよう、事前に社内でのクレーム対応ルールを作っておくと良いでしょう。

ポスティングでトラブルにならないための注意点

クレームの対応法を確認すると同時に、できるだけトラブルに発展しないように意識することが大切です。ポスティングを実施する際には、以下のような点に注意を払い、トラブルを未然に回避しましょう。

チラシ内容を吟味する

ポスティングが販促活動の一部である以上、チラシそのものがトラブルの引き金となることのないように内容をよく吟味しておくことが大切です。キャッチコピーや使用している画像が公序良俗に反したり、不快感を与えたりするような表現になっていないか、しっかり確認する必要があります。

ポスティングのルールを徹底する

ポスティングにもマナーやルールがあります。ポスト内で他の郵便物に損害を与えないよう、雨・雪の日のポスティングを避けるのもそのひとつです。また、不審者と見なされないように、ポスティング担当者は身だしなみに配慮し、夜間ポスティングは避ける方が良いでしょう。
ポスティングのコツについては、以下の記事でくわしく解説しています。

事前の調査を入念に行う

ポスティングでトラブルになりやすいのが、ポスティング禁止としている住宅や集合住宅に配布してしまうケースです。また、ポスティングはOKでも、政治的な内容は不可といったルールを定めているケースもあります。そうした情報を事前にまとめることで、トラブル回避を行いましょう。特に、投函禁止の張り紙が多いエリアや、過去のクレーム多発地域などは、要注意箇所として地図をマーキングしておくと、社内で情報共有しやすくなります。調査を行った後は、社内教育も徹底し、トラブルの発生を最小限にできるよう工夫しましょう。
ポスティングに役立つ地図の活用法については、以下の記事でくわしく解説しています。

配布禁止をリスト化しておく

上述した事前の調査結果をもとに、配布禁止箇所をリスト化しておくことも大切です。今後のポスティングに向けて、過去のリストを踏まえた計画を立てられます。常に最新の情報に更新し、クレームの再発防止に努めましょう。ただし、リストへの対応にこだわりすぎると、ポスティングの効率が下がってしまう可能性もあります。できるだけ費用対効果の高いポスティングの方法も検討することが大切です。
効果的なポスティングについては、以下の記事でくわしく解説しています。

真摯な対応をしてくれるポスティング会社を選ぶ

自社内で、配布エリアの事前調査を行うのが大変な場合や、社内教育が徹底できない場合などには、ポスティング業者に依頼するのも一案です。その際、できるだけ真摯な対応をしてくれるポスティング会社を選びましょう。
配布する際のあいさつを行う、チラシを丁寧に扱うといったポスティングスタッフの教育をはじめ、ポスティング禁止エリアの把握、クレーム対応に関するルールの徹底など、しっかり品質管理が行われている事業者を選ぶことが大切です。配布を希望するエリアへの対応や、過去のクレーム対応などについて、実績があるかどうかを確認しておきましょう。

ポスティングへの理解を深めてトラブルのない実施を

ポスティングは一般的な販促活動として広く実施されている手法であり、それ自体には違法性はありません。しかし、個人宅にチラシを差し入れる行為は、やり方を少し間違えれば違法に該当するおそれもあります。配布先の意思に反しない行動をとることや、違法性のないチラシ内容であることが大切です。
加えて、ポスティングは配布する人材に信頼性が求められるため、自社内で行う場合には社員教育が欠かせません。また、業者に委託する場合には、教育や管理体制に注目して事業者選びを行う必要があります。ポスティングの効果を高めるためにも、トラブルを回避しながら、結果を残せる方法を検討してみましょう。

「らくらく販促マップ セレクションサービス」を使えば、エリア選定からチラシ制作・配布までゼンリンがサポートします。必要なサービスだけ選択することも可能なので、自社に合わせた活用ができます。
安全・安心で効果の高いポスティングを行うために、ぜひお役立てください。

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