業務効率化には「ダラリ」を排除せよ!
「ダラリ」という言葉をご存知ですか。ここではダラっとすること……という意味ではなく、実はこれ「ムダ・ムラ・ムリ」の2文字めをつなげた略称なのです。製造業の方や物流に携わる方は聞いたことがあるかもしれません。
この考え方は製造業にとどまらず、あらゆる分野で使える考え方です。
本記事では、これを「地図を使う業務」や「地図を使うとよりよくなる業務」についてあてはめ、まとめてみました。
事前準備で「ムリ」を減らそう!
「ムリ」とは、能力以上の負荷がかかっている状態のこと。これを解消するには、負荷となっている手間や作業を軽減することが必要です。
さて、仕事での地図の使いみちで代表的なものに、「所在地や目的地の確認」「経路や移動時間の確認」などが挙げられます(ゼンリン調べ)。
つまり、事前の情報収集といった「準備」としての利用が中心といえるでしょう。


“段取り八分”というとおり、やはり準備をしっかりしておくと仕事の結果にあらわれるもの。とはいえ、ここに手間をかけすぎるとムリが生じてしまいます。
そこで、「地図に情報を追加する」という考え方で情報を整理してみましょう。たとえば営業で外回りが多い方は、営業先の情報やメモなどを地図に記録してみます。複数の場所の情報も、地図上で一元化することで、情報管理の手間が減らせます。無料の地図サービスでも情報入力ができるものがあるので、活用してみるのもよいでしょう。
また、土地そのものの情報が必要不可欠な不動産業の方については、業務量に応じて、用途地域などの必要な情報が地図上で閲覧できるサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ミスを防いで「ムダ」をなくそう!
「ムダ」とは、ムリとは逆に負荷が少なく能力を持て余し、生産性が低下した状態のこと。
会議や資料作りなどのほかにも、ミスをしたため手直しや事後対応が必要になった、というのもミスが生んだ「ムダ」です。また、以前から行われていたやり方やルーチン業務といったものも、現状とあっていないなどのムダが潜んでいるかも。これらが積み重なると「ムリ」につながるので、ムダはどんどん減らしていきましょう。
地図を使う業務で考えると、お互い見ている地図が違った、などの情報の食い違いはミスのもと。
地図とは(それが紙地図の場合は特に)、同じ種類でも「いつ作られたものか」によって情報が変わっていくからです。インターネットのデジタル地図は更新が自動のものが多く、食い違いにより起こるムダを避けられるでしょう。
また、「実際の現地の状況を確認する」必要があり、その準備として地図を使っている業務の場合は、地図上で航空写真を閲覧できるサービスの利用がオススメ。これを使うと、現地へ行く手間が軽減されるので、たとえば固定資産評価業務などで効果的でしょう。

平準化により「ムラ」を解消!
「ムラ」とは、ムリとムダのどちらも発生している状態のこと。その結果、仕事の品質や精度が安定しなくなってしまいます。品質や精度の下がった仕事は、せっかく築き上げたお客様からの信頼をも損ねてしまうもの。これも積極的に見直していくべきです。
たとえば、役所への申請書類やお客様への案内資料など、内容がある程度決まっているものは、個々人で独自のやり方をするよりも、書式やノウハウなどを共有し「平準化」すれば全体的な質の向上が望めます。もしそれが地図を貼り付ける必要のある書類の場合は、皆様の業務に応じた「情報が見やすい・出力がしやすい」地図サービスや、使い勝手のよいツールなどを情報共有しておくとよいでしょう。


ところで資料作成といえば、実は地図には著作権があるため、特にお客様など第三者へ渡す資料や、建設業の方が現場で配る地図などに使いたいときは注意が必要です。
「オープンストリートマップ」のような誰でも自由に利用できる地図を使うか、コピーOKの「複製許諾証」がついている地図を使うことで、法令に配慮している企業姿勢が示せ、お客様からの信頼もUPしそうです。
「地的スマートワーク」のススメ
業務効率化の目的は、皆様の置かれている状況によって異なるかと思います。そこを明確にしたうえで、そのときの「ムリ・ムダ・ムラ」について考えてみる。そうすると、どこから着手すればスマートな働き方につなげられるか、おのずと見えてくるのではないでしょうか。
地図は、目的地にたどり着くためのツールであると同時に、地図上に何かを表示させるなど「情報を可視化するのに有効なツール」でもあります。うまく活用すれば、皆様の業務効率化に、きっとお役立ていただけることでしょう。
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