地震雷火事「大雨」!?他人事ではない、水害対策

多くの人は「水害」と隣り合わせに

2020年7月以降の各地での豪雨は、多くの被害をもたらしました。地域差はあるものの、これまで防災対策といえば「地震」にフォーカスされがちでしたが、今後は「水害」もあわせて私たちの「防災意識」をアップデートする必要がありそうです。
そこで本記事では、豪雨などによる「水害対策」についてまとめました。

河川がなくても油断大敵!「内水氾らん」の対策をしよう

防災対策の基本は、周辺の「ハザードマップ」を確認することです。危険なエリアはどこか?どういった危険があるのか?などを、今一度確認しておきましょう。

ただし、洪水ハザードマップで自宅周辺が浸水の範囲外だったとしても、油断は禁物。
近年、河川の氾らん(外水氾らん)以外に問題になっている「内水氾らん」と呼ばれる水害は、河川からの距離に関係なく起こりうるのです。(自治体によっては「内水ハザードマップ」が公開されているのでぜひご確認を。)

これは、局地的な豪雨のように多くの雨量が集中した結果、下水道などの処理能力を超えてしまいあふれた雨水で道路や家屋が浸水するというもの。
また、外水氾らんよりも浸水までの時間が短めという特徴もあるため、我が家は大丈夫、と油断して足元をすくわれないよう、対策を理解しておきましょう。

内水氾らん対策のポイントは、「外側」と「内側」。
外側は玄関など外からの浸水を防ぐ対策で、土のうなどを用います。
内側は洗濯機や洗面所、キッチンやトイレなどの排水口からの逆流を防ぐ対策で、これにはレジ袋などのポリ袋を二重にして水を入れ、口を縛って作った「水のう」を載せておきます。
外側に気を取られて内側対策を忘れてしまいがちなので、気を付けましょう。

水のうを使った防災対策の詳細はウェブで検索してみてください

「警戒レベル」を知り、早めの避難を!

ハザードマップで河川の氾らんや土砂災害などの危険域にある場合は、「いざという時は避難する」ことを前提に、準備を進めておきましょう。
これまでの、大雨のとき発表される「注意報」「警報」「特別警報」などは、避難のタイミングを知るにはわかりづらかったと思います。
しかし、2019年から「警戒レベル」として、避難のタイミングがわかるような情報発信に変化しました。改めて、このレベルの意味を確認しておき、早めに避難できるよう心構えをしておきましょう。

出典:内閣府「警戒レベルに関するチラシ」より一部抜粋

警戒レベル1は「心構え」、警戒レベル2は「避難行動の確認」をして待機、という意味です。
そして警戒レベル3以上は「避難開始」と捉えて早めに動き、逃げ遅れることのないようにしましょう。

また、今もっとも気になるのは新型コロナウイルス感染症対策をふまえた避難の仕方かと思います。
避難所では、自治体側も段ボールなどを活用した飛散防止対策をしています。また、警戒レベルが低い段階のうちに早めに避難しておける「予防的避難」ができる避難所を準備している自治体もあります。

水が迫ってからの避難は、足元が危険なだけでなく、汚水による感染症リスクも上がるもの。「コロナがあるから避難をためらう」のは、本末転倒です。
とにかく、危険域にお住まいの方は、「避難しても何もなかった」としても気にせずに早めに避難することが、今は肝要なのです。

なお、「大雨特別警報」は警戒レベル5(もう災害が起こっている)に相当するので、「警報が出てから逃げれば大丈夫」と思っていた人は、今すぐ認識を改めましょう!

そして実際に避難するときの準備も、この機に再点検しておきましょう。感染症対策に、備蓄品にもマスク・消毒用アルコールの追加をお忘れなく。他にも、避難用の持ち出し用品の備えに加えて、ハザードマップの確認や、避難所の場所の確認、安全なルートのチェック、また家族との連絡手段も確認しておきましょう。

避難所では段ボールを使った簡易ベッドやパーティションにより新型コロナウイルス対策がされているので、安心して早めの避難を!

水害対策のポイントは「意識づけ」と「事前の備え」

防災対策や避難について理解を深めても、いざ災害が起こったとき、最後の壁となるのが「正常性バイアス」と呼ばれる人間心理です。これは、何か問題に直面したときに心の平穏を保とうとするものですが、災害という緊急時にも「自分はきっと大丈夫(被害は及ばない)だろう」という気持ちにさせてしまうのです。いざという時に逃げ遅れてしまうのは、この心理が影響していると言われています。

これを回避する方法が、防災対策という「事前の備え」をしっかり行っておくことと、その後の「意識づけ」を変えることです。
備蓄や家庭の備えはバッチリ。災害がやってきた。でも被害は何もなかった。
そんな時、「せっかく対策したのに何もなかった。じゃあ、次はやらなくて大丈夫」ではなく、「しっかり対策しておいたから、安心してやりすごせた。次もしっかりやろう」というような考え方を意識づけすることで、いざという時も落ち着いて対処できるのです。
新型コロナウイルス感染症対策にも、このことはあてはめられます。

自分や家族の心理を理解して逃げ遅れないようにしつつ、対策は万全に整えて、安全・安心な暮らしを手に入れていきましょう。

防災対策にも役立つゼンリン地図のご紹介

【防災マップにオススメ!】貼り出しておいて、家族みんなが見れるようにしたい。避難所や危険な場所などもメモしたい。

自治体での災害対策に。地図データを庁内で共有し、迅速な情報共有と意思決定、そして住民の安全へつなげます。

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